占い師コラム

ハワイの神秘 ホ・オポノポノ【前編】~世界の神秘と奇跡ファイル第162回 儒楽占い師

ハワイの神秘

日本人が大好きな渡航先・ハワイ。ハワイのパンケーキ屋さんや、ハワイアンカフェまで近年日本で大人気となってすっかり定着しています。マリンブルーやエメラルドグリーンに澄み渡る海。真っ白でサラサラな砂浜。ドライな空気・風。照り付ける太陽も日陰に入ればさわやかという気候。山にも恵まれ、バニヤンツリー・モンキーポッドなどの大木が随所にあり、あざやかな花が咲き乱れ、雨季になれば南国の果実がたわわに実ります。豊かな自然に恵まれた快適な地上の楽園、それがハワイです。

そんなハワイの現地のローカル紙・フリーペーパーなどを読んでいると、気が付くことがあります。それはスピリチュアルヒーリングに関する広告の多さ。じつはハワイにはあのワイキキビーチにさえスピリチュアルスポットがふたつも存在しており、全体に霊場跡なども点在しているほど、豊かな自然を背景に古代から霊的パワーに関心が高い土地柄なのです。したがって、いまもヒーラーが人気と信頼を得ており、見えないものを信じ、霊性を大切にする方が多くおられます。

今回は、そんなハワイアンヒーリングのひとつ「ホ・オポノポノ」を前後編にわたってご紹介します。あなたの魂の浄化に役立てていただけますように。

家族の和解に利用された浄化法

ホ・オポノポノはハワイに古くから伝来する魂・心の浄化法のひとつ。いまでは個人の魂・心の浄化法を指す場合が多いでしょう。家族や社会的集団などの関係を修復するために「赦し・和解の儀式」として行われていました。そして、赦すことは病の平癒・病除けにもつながることとして、そのためにも行われていたようです。ほかの伝統的宗教においても他者を赦すことは重視されており、ひとは自分勝手な思いから不幸に見舞われ、神仏・宇宙の意思からの恵みを得てそこから脱するという思想は共通しています。赦しによる和解や、そこからくる心の平安は先人の知恵といえるでしょう。

ハワイを含むポリネシア文化圏においては、ひとを赦さないかたくなな心は不幸の根源となるとされており、病気もそのひとつでした。病気などの平癒のために罪の告白と他者への謝罪による浄化は必要不可欠なことだったのです。家族間や社会的集団において、長となるひとびとを中心に話し合い、告白・謝罪・赦しが行われ、ときに先住民のヒーラーなども招いて関係修復=浄化を実施。おもに家族問題の解決に効果をあげていたようです。

家族を赦す大切さを忘れずに

赦しと和解の儀式がおもに家族間に必要とされていたということは非常に重要なポイントといえます。なぜなら現代社会においても家族間の係争は多く、絶えることがないからです。また、家族同然とまで思っていた集団や友人関係の中でも、それは起こり続けています。関係が濃いほど、人間関係はもつれやすいもの。知らないひとをはげしく憎むことはあまりないでしょう。関係性が希薄であるより濃厚であるほうが問題は大きくなりがちなのです。

昨今では「毒親」という言葉も多く目にします。親の愛情不足や不充分な教育が、子どもを不自由な人間に育て、不幸にする原因であることがわかっている時代。しかし、その子ども時代は戻ってくることはありません。親もその時点に戻ってやり直すことはできません。

毒親の影響に苦しみ、また、いまも苦しみ続けている方に対し、かんたんに「忘れろ」ということはできませんが、「絶対に赦さない」と思い続けていることでいまの人生が不健康になってしまうのは残念なことです。「すぐに赦せ」などと軽々なことをいうつもりはありません。しかし、いつか憎しみや恨みを浄化できるように、心の中に箱を置き、そこに集めておくことはイメージすべきでしょう。憎しみや恨みの念を心に散乱させたままでは、その悪臭は周辺のひとびとにも嗅ぎ取られてしまい、次第に孤立してしまうからです。いつか箱ごと捨てられる日がくるまで、しっかりと管理されることをおすすめします。

家族の和解から自らとの和解へ

家族を赦せない・他者を赦せないという思いは、個人のキャパシティが大いに関係しています。そしてそのキャパシティは想像力・理解力と直結しているといえるでしょう。一生懸命生きていれば、さまざまな経験を通して、そうした力が次第に身に付いてきます。たとえば「自分はひとに思いやりを持って接しよう」と決意していても、置かれた状況やその時点における力不足などが原因でそうできなかったという経験をすれば、いつもベストではいられない人間の弱さを知ることになります。

そうした経験の積み重ねがやがて成長期の自分に対してベストでいられなかった身内の心情にも一定の理解が示せるようになるでしょう。また、他者に親身になり切れなかった自分を赦すことができないと、他者を赦すこともできません。自分が生きづらくならないように、自分に対しても他者に対してもその弱さを認める必要性があります。ひとを赦した分だけ、神仏・宇宙の法則に自らも赦されると理解し、いつかそのようになれるよう、日々を大切に生きていきたいものです。

ひとを赦した分しか自分も赦されないということは、自分を愛せないひとは他者も愛せないということに通じています。それほど赦しは人生において重要です。赦しと和解の儀式であるハワイの神秘ホ・オポノポノ。後半では具体的な自己浄化の方法についてご紹介したいと思いますので、お楽しみにお待ちください。