占いの種類と占術

スクライングscrying

スクライングとはどんな能力?

スクライングのイメージ

スクライング(またはスクライイング) 」は、大昔から用いられている占いの方法の一種です。

スクライングの能力を持った人間が何らかの「物体」をじっと見つめると、そこには他の人には見えない幻影や視覚イメージが浮かび上がってきます。それを元に様々なことを占うのがスクライングです。この際使用する「物体」は、主に水晶玉や鏡など光を反射するものが主流ですが、タロット等の道具を使用する場合もあります。特に水晶玉を使用した方法が最も一般的で、水晶玉を使用してスクライングを行う場合は「クリスタルゲイジング」「カトプトロマンシー」などと呼ばれることもあります。また、円形のガラスの裏面を黒く塗った黒鏡(スクライング・ミラー)を使用するケースもあります。その他にも、水面、輝く石、グラスやコップなど、光を反射するものであれば幅広くスクライングに使用することができると言われています。

スクライングの方法は?

スクライングで物事を占うには、大きく分けて二つの方法が存在します。

まずは水晶玉などの物体に浮かび上がった映像を見て、相談者の運勢を占うという方法です。そしてもう一つは、完全な映像ではなく、何かしらの記号や暗号を浮き上がらせて、それをヒントにしながら占うという方法です。二つ目の方法は、ただ物体に記号や暗号を浮き上がらせる能力だけではなく、その内容を分析して運勢を導きだすという高度な能力が必要になります。

スクライングではどんなことが占える?

スクライングの特徴の一つが、他の占いよりも幅広い内容を占うことができるということです。

スクライングという言葉には「離れたところから何かを見つける」という意味も含まれていますので、遠く離れた場所にある映像を浮き上がらせることも可能です。距離だけではなく時間を越えて、過去や未来の映像、人間の心の中まで映し出すことができるのです。仕事や恋愛において「自分がこれから先どうするべきか」を知りたいときや、気になる相手の心中を読み取りたいときにも大変便利です。高度な技術を有していれば死者の魂を召喚することさえできるとも言われていますので、霊とのコンタクトによって求めている答えを誘導することも可能なのです。

スクライングの歴史は?

スクライングの歴史は非常に古く、16世紀にはすでにヨーロッパでスタートしていたと言われています。16世紀のドイツで一人の僧侶が水晶玉を用いて財宝の在処を導きだしたことから始まり、その後ヨーロッパ全土に徐々に普及し、17世紀にはイギリスでブームを巻き起こしたという記録もあります。日本では奈良時代に作成された歴史書「日本書紀」内に、神功皇后が水晶玉を用いて占いを行ったという内容の記載があります。これが真実であれば、当時は既にスクライングが日本でも行われていたということになります。ちなみにこのとき使用されていた水晶玉は海中から拾い上げた物で、水晶玉の内側に剣で出来た傷のようなものがあったため「剣珠」と呼ばれており、今でも大切に保管されているそうです。

スクライングは自分でもできる?

スクライングは道具や環境が揃えば自分でチャレンジすることもできます。

まずは映像を映し出すための「物体」を用意しましょう。水晶玉はなかなか入手するのが難しいでしょうから、光を反射するガラスや鏡、自宅にあるグラスやガラスの食器等を用いても良いでしょう。ただし、あまりにも物体が小さいと映し出された映像が見えづらくなってしまいますので、最低でも直径10cm以上の物を用意するのがベストです。また、できるだけ球体、もしくはそれに近い楕円形の形が理想です。最近はインターネットでスクライングに使用する水晶玉やミラーが、手頃な価格で購入できるようになってきているようです。

それでは、具体的なスクライングの手順を紹介しましょう。

  1. まずは約5分間、水晶球など映像を映し出す「物体」を手で暖める。
  2. 目を閉じながら深呼吸をして、心から雑念を取り払う。
  3. 目を開けたら物体を右手で覆い、次に左手で覆うというプロセスを3分間ほど繰り返す。このとき、手は直接物体には触れずに、あくまでも覆いかぶせるようにするだけ。
  4. しっかりと物体を見つめ、映像が浮かび上がるのを待つ。

すぐに映像が現れないからと言って、あきらめないことが肝心です。スクライングには高度な技術とそれを身につけるための辛抱強い練習が必要と言われています。集中した状態で物体をじっと見つめ続けるのは疲れるかもしれませんが、最初は10分ほどの短い時間でもかまいませんので、それから徐々に物体を凝視できる時間を長くしていきましょう。