占いの種類と占術

御神籤おみくじ

おみくじとは

御神籤のイメージ

おみくじとは神に祈願し、様々なことの吉凶を占う、占いの一種です。現在は新年の運勢を占うものとして初詣で寺社へ参拝する人が個人の吉凶を占うことが多いですが、古くから、毎年の農業の作柄や天候、戦などの吉凶、さらに祭事に奉仕する神役を選ぶ際にも使用されてきた由緒あるものです。もともとは神職や行者により神前で行なうのが原則でしたが、近年は神社や寺社で参拝者が備え付けのおみくじを引いて、境内の樹木に結び付けて幸運を祈るやり方が主流になっています。

おみくじの歴史

古代においては、国の祭政に関する重要な事項や後継者選びの際に神の意志を占うためにくじ引きをすることがあり、これがおみくじの起源だといわれています。そこから百首を選んで解説を付し、ランダムな抽選によって授与するような形になっていきました。

参詣者が個人の吉凶を占うために行なう現在のおみくじの形は、鎌倉時代の初期から始まったといわれています。なお、当時は自分でくじを用意するのが一般的でした。

おみくじの奉製

現在、おみくじの約7割は山口県周南市にある女子道社によって奉製され、日本国内の寺社に納められているほか、ハワイなど国外にも輸出されています。

おみくじにおける縁起の良い順番

おみくじの内容は、「番号」「運勢の説明」「吉凶」という3つの項目で構成されていることがほとんどです。おみくじには縁起の良い順番というものがあり、一般的には次のように7段階から12段階ほどに分けられています。

7段階の場合の縁起の良い順番

大吉 > 中吉 > 小吉 > 吉 > 末吉 > 凶 > 大凶

12段階になっている場合の縁起の良い順番

大吉 > 中吉 > 小吉 > 吉 > 半吉 > 末吉 > 末小吉 > 凶 > 小凶 > 半凶 > 末凶 > 大凶

おみくじの吉凶の量の比率は神社仏閣によって様々で、近年は凶を減らすところもあります。ただし総じて、吉凶よりも運勢の説明で何が語られているかの方が大切であるといわれています。

また、「陰陽道」においての考え方に、大吉や大凶はその逆に転じやすいという説があります。これは「陽極まれば陰生ず、陰極まれば陽生ず」という言葉に由来し、吉であっても気をつけること、凶であっても用心して誠実に事にあたれば必ず御加護があるという意味です。このことからも、大吉を引くまでおみくじを引き続けるなど、何度も占いなおしたりすることは、かえってバチ当たりな行為になります。

おみくじを結び付ける行為の意味

引いた後のおみくじを、境内の木の枝などに結ぶ習慣は、「結ぶ」が恋愛の「縁を結ぶ」に通じることから江戸時代から行われてきました。その後、神様との「縁を結ぶ」として木に結びつけられるようになりました。おみくじを木々の枝に結ぶのは、木々から湧き出る生命力にあやかり、願い事がしっかり結ばれますように、という祈りを込める意味もあるといわれます。

また、凶のおみくじを利き腕と反対の手で結び付ければ、困難な行いを達成することによって凶が吉に転じるという説もあります。しかし近年、木々に結ぶと木の生育が悪くなることから、参拝者がおみくじを結ぶため、2本の木の間に棒や縄を張った“みくじ掛”を設置している寺社もあります。