占い師コラム

土星星座が指し示す物の本当の意味第135回 メリーベル先生

土星は本当にネガティブな要素の強い星なのか

土星星座

太陽、月、水星、金星、火星……。西洋占星術ではさまざまな惑星に星座を当てはめ、人の性質や運命を多角的に検証していきます。そして、それぞれの惑星は複数の意味を含んでおり、その意味を読解することこそが占星術の基本です。そんな西洋占星術において、土星は「試練の星」と呼ばれ、その人の克服すべきマイナス面や、人生で乗り越えなければならない物事を象徴する、と言われます。このことから、“土星はネガティブな要素が強い”と見なされがちです。しかし、これは本当にそうなのでしょうか。土星はネガティブな要素のみを示唆する惑星なのでしょうか。今回は、西洋占星術における土星の持つ本当の意味を詳しく解説していきたいと思います。

土星は“可能性の星”

西洋占星術において、土星がその人の人生における試練を象徴する星座であることは事実です。主に、努力して克服すべき課題、苦手と感じる要素、葛藤する部分、社会的に責任を求められる物事、規制や規律を課されること、等の象意を持ちます。この象意だけで判断した場合、土星を「ネガティブな意味合いを持つ星」として解釈してしまうのも無理はありません。しかし、土星は本来ネガティブな星ではなく、その人の発展の可能性を示唆してくれる“可能性の星”なのです。土星の指し示すものは、その人が進むべき道であり、そこを越えていくことで必ず人間的に成長できる部分。それは表面的には厳しい物事に思えるかもしれませんが、試練を越え、人間的に成長する余地であると捉えるべきです。土星はその人に秘められた可能性をはっきりと指し示してくれているのです。

土星の忠告に耳を傾けることで幸せに近づく

ホロスコープにおける土星星座、および他星座と土星星座とのアスペクトは、あなたに気付きを与えてくれます。土星星座が指し示すものは厳しい意味合いを持ちがちですが、「あなたにはこういう面があるから、こうしないよう気をつけなさい」「この先こういった物事が待ち構えているから、今のうちに用意しておきなさい」といった忠告であることが殆どです。私達の人生の前途には、さまざまな幸福が待ちかまえています。そしてその幸福を手にするためには、越えるべき壁が必ず存在します。その壁に当たった時、ただ闇雲にもがくのと、「あなたの壁はこういうものだから、こうすることで越えられる」という指針がそこにあるのとでは、越える際の難易度は天と地ほどの差があるのではないでしょうか。そういった物事を指し示してくれる土星はいわば人生の攻略本なのです。「土星=ネガティブな星座」という読解は大変浅はかで、あなたの人生を幸せから遠ざけてしまうものです。

今は分からなくても、いずれ分かる日が来る

あなたが自分自身の内面を深く理解し、ポジティブな面もネガティブな面も受け止め、自分を正しく理解するためには、土星が指し示すメッセージをしっかり受け止めることが必要不可欠です。それはいわば、あなたのためを思ってあえて厳しいことを言うご両親のお説教のようなもの。若く未熟なうちは「嫌なことを言わないで」「お説教は聞きたくない」と思うかもしれません。しかし年齢を重ねていくにつれて有難味が身にしみて理解できるものです。ホロスコープにおいて土星が指し示すものは56歳から70歳という年齢域もあります。また父親や支配者といった意味合いも持っています。土星が含む本当の意味が理解できるようになるには、ある程度の年齢やそれに伴う人生経験が必要なのです。まずは土星のメッセージから目をそらさないようにしましょう。そして「これは悪いことを言っているんじゃない、自分に必要なことを言っているんだ」と頭で理解することにしましょう。そうすることで、あなたが今後人生経験を重ね、試行錯誤を繰り返しながら進んでいく中で、土星の指し示す本当の意味を「こういうことだったのか」と理解できる日が必ずやってくるはずです。