占い師コラム

人生における挫折体験の意味と乗り越え方第137回 依木リタ先生

人生における挫折体験の意味と乗り越え方

うまくいくことばかりじゃない、それが人生。多くの人にとって頷ける言葉ではないでしょうか。強く求めれば求めるほど、叶わなかったときのショックは大きいもの。自分への不甲斐なさ、惨めな気持ちで覆いつくされる絶望感など、やるせなさはこの上ないものです。

こうした挫折体験を今までにしてきた人は多いのではないでしょうか。愛恵の私へも、挫折体験を経てどう立ち直ればいいか、アドバイスを求めにお電話される方がいらっしゃいます。浮気されたとか、失恋の痛みなど恋愛における挫折体験が多いと感じます。

そこで占い師として、若干の人生の先輩として人生における挫折体験をどう捉え、乗り越えていくかをアドバイスしたいと思います。

挫折は人生と強く向き合っている証拠

まず、挫折体験をした人を、私は褒めたたえるようにします。何かを掴み取りたい、勝ち取りたいと強く願い、何かしらの努力をして勇気を出して前に進もうとしている。その結果はうまくいかなかったにしても挑戦することは人生の成功への第一歩です。これなくして偉そうなことは何も言えないのです。

挫折は挑戦することの裏返し、ショックが大きいほど自分の思いの強さがいかほどだったのかがわかるのです。失敗を恐れ何も行動に起こせない人よりはよっぽどましで、人生に賭ける思いの表れだと思ってほしいのです。それをまずご自身で認めてあげましょう。

きっと死ぬ前に人生を振り返り、あのとき挑戦してうまくいかなかったけど、行動に起こせたことに後悔はないとの思いに至るはずです。何もしないよりはずっといい。それだけはお伝えしたいことです。

挫折の痛みは時間の経過とともに薄れていく

言うなれば人生は、可能性の消滅と向き合いながら生きていくものです。子どものころはアイドルの誰々君と結婚したと思っていたところでそうはならず、ほかの誰かと結婚するということもそれに当たります。できることとできないことを冷静に受け止め、何をするべきかという思考に持っていきたいものです。

例えば小説の新人賞に応募することなく、小説家を夢見ていつかなれると信じ続けていることに意味はあるでしょうか。賞に応募してみて手応えがなかったけど、ちょっとした記事を書くライターだったら、もしかするとなれるかもしれない。そこで新たな方向性が生まれるのです。

挫折体験もこのように捉えてみてほしいのです。できないことを見極め、どう方向転換していくのか。それを考えるチャンスなのです。挫折を経験した直後はそれで頭がいっぱいで苦しい思いをしているかもしれませんが、時間の経過に連れて徐々にその痛みも薄れていきます。その間に冷静になってどう前に進もうか考えるはずです。それができる人が真の強さを持つ人ではないでしょうか。挫折を経験する意味もここにあると考えれば気持ちが楽になれるはずです。

恋愛での挫折の立ち直り方

好きな人に告白して断られる。大きなショックであることは伺えます。それはある意味次の恋を始めるチャンスでもあると考えてほしいのです。見込みがない人にいつまでも執着していても仕方がないでしょう。であれば区切りをつけてきっぱり諦めることです。よい出会いを求めて新たな場所に乗り出してみましょう。その際に挫折体験を振り返ってみて教訓となることを整理しておくべきです。男性とのかかわり方、アプローチへの流れ、自分の武器となるところなど挫折体験の反省点として生かしていきます。

仲のいい人と話して自分のいいところを聞き出すのもお勧めします。人によっては自分で思う以上にさっぱりした性格なので変に男性を追いかけず、振り向かせたいと思った相手が接近してきたところで受け入れるほうがよいということもあります。媚びるだけが女じゃない。自分のスタイルを確立させるためにも自己分析と他者の評価は大切です。

占いサロンに来る人を見てきたなかで言えることは、人生の早い時期に挫折体験をした方のほうがその後の人生をよりよく生きているということです。社会人になってから初めて経験する恋愛の挫折はショックが大きく、立ち直るのにも時間がかかります。免疫がないからどう受け入れていいかわからない。それが仕事にも影響してしまうと深刻です。何でも経験しておくと次に起きたときの対処がうまくなります。時間が経てば笑い話にできることもあります。それぐらいの心のゆとりができてくると生き方も楽になってくるはずです。


若いうちから挫折を経験しておくことはいわば心のクッションを作ることにもなります。メンタルを強くしておくことは人生を生き抜くうえでも必要なことです。長いスパンで考えて挫折を経験しておくことはその後の人生の肥やしになります。大切なのは挫折を経験してからの人生をどう生きるかです。