占いの種類と占術

断易だんえき

断易とは

断易のイメージ

断易は、周易と同様にコイン・サイコロ・筮竹(ぜいちく)などを用いて「六十四卦」を作り、卦を構成する六つの爻(こう)に十二支を割り振り、その十二支と占った時の月・日をからめて判断していく中国の占術です。易卦(えきか)の形を利用しながら、十二支の陰陽五行による生剋関係などを使って判断していくため、「易の形を借りた干支術」ともいわれています。また、五行易(ごぎょうえき)・納甲易・鬼谷易(きこくえき)・漢易・三文易とも呼ばれます。

断易の特徴

断易の特徴としては、様々な占事に即対応でき、占いたい事柄に対する吉・凶が明確に出ることが挙げられます。また、その吉凶の現れる時期=応期(おうき)がはっきり分かること、判断し難い場合には日を改めて再占することが認められていること、占いで芳しくない結果が出たとしても、自分(当事者)にとって有利な対処策を考えることができること、なども挙げられます。

断易の歴史

断易という占いは、伝説では今から約2300年前の春秋戦国時代に楚の鬼谷子(きこくし)という道士によって創定されたといわれています。断易のことを「鬼谷易」とも呼ぶのは、そうした理由からです。しかしこれは伝説上の話なので厳密にいえば真偽のほどは定かではなく、文献上では、前漢時代(紀元前200年前)の役人であった「京房(けいぼう)」によって創定されました。断易はこの漢の時代に栄えた占いの1つです。

その後、断易は道教(=中国民族の固有の生活文化のなかの生活信条や宗教的信仰を基礎とした、中国の代表的な民族宗教)の中に入ってしまいますが、「明」「清」の時代に実証性のあるものとして再び発展していくこととなります。

断易は、日本には室町時代に伝わり、軍師が戦局を判断するのに用いられ、仙人の易と言わしめるほどの的中率を誇りました。その後も江戸時代後期から明治にかけて多くの研究者が現れ、断易は確かな占術として広く普及・研究されるようになっていったのです。

断易の占い方

ここではサイコロ、もしくはコインを用いた断易の占い方をご説明します。

  1. まず、これから占おうとする目的を決めます。これを占的(せんてき)と言います。
  2. 次に占った日に相当する「月」と「日」の十干と十二支を調べます。
  3. 調べ終えたら、占いたい事柄(占的)を頭に描きながら、3個のサイコロを振るか3枚のコインを投げるかして、その出た目で陰と陽を出します。裏と表が出るものであれば、何で占っても構いません。サイコロの場合は奇数が多ければ陽で、偶数が多ければ陰。コインの場合は表が多ければ陽で、裏が多ければ陰となります。 それぞれを6回繰り返し、出た目を順番に、陰と陽に分けて書いておきます。さらに、陰と陽に組み合わさったものを六十四卦のいずれかに当てはめます。
  4. そしてサイコロを振って得られた卦の中にある、占いたい事柄に該当するものを見つけます。一般的に、それを用神(ようじん)と呼びます。
  5. その用神にあらかじめ付けられている五行(木火土金水)と十二支、占った月と日の五行、十二支との関係などを見て占えば、80%くらいの結果が出ます。
  6. さらに、吉凶が出る時期などを調べます。これを応期と呼びます。