知ってそうで知らない「阿弥陀籤(あみだくじ)」についてご紹介しましょう。
阿弥陀籤(あみだくじ)のルーツとは?
物事の勝ち負けを決めたり、みんなで何かを分配する際によく使用される「あみだくじ」。紙とペンさえあればできてしまう簡単な方法として、老若男女問わず幅広い世代に愛用されています。
さて、私たちが普段何気なく使用しているこのあみだくじですが、実は想像以上に長い歴史があるということをご存知でしたか?あみだくじが民衆に愛用されるようになったのは室町時代です。当時のあみだくじは現在の物とはやや形式が異なり、今のような縦横の平行線ではなく、中心から外側に向かって放射線状に線が伸びている形でした。その線が「阿弥陀如来」の光に似ていたため、当時は「あみだの光」などと呼ばれることもありましたが、その後は徐々に「あみだくじ」という名前が定着するようになったと言われています。
当時はあみだくじの用途も現在とはやや異なりました。お茶菓子などを購入するために複数名からお金を集める際に、「誰がいくら支払うのかを決める」という目的で使用されることが多かったようです。まずは人数分の線を引き、その端にそれぞれ異なる金額を記載して、自分が引き当てた金額分を支払うという方法でした。
あみだくじのルール
あみだくじを公正に行うためには、きちんとルールを守らなければいけません。現代のあみだくじの正式なルールややり方をご紹介します。
ルールその1
あみだくじに参加する人数分の縦線を引き、その上部には参加者の氏名を、その下部にはくじの結果をあらかじめ記載しておく。
ルールその2
誰がどの線をセレクトするかは、じゃんけんなどで決定する。
ルールその3
公平性を保つために、くじを作成した本人は一番最後に線を選ぶ。あるいは、くじの作成自体を複数名で一緒に行っても良い。複数名でくじを作成する場合は、梯子状に引く横線を、各参加者が自由に書き加えたりする。
※最近では、簡単にあみだくじが作成できるソフトや無料ツールなども登場していますので、こういったものを利用しても良いでしょう。
ルールその4
横線を引く際には、くじの結果が見えないように紙を折ったり隠したりする。
ルールその5
各自が線を選んだら、その線を下にたどって行く。「横線にあたれば必ず曲がる」「上方向へは進まず、必ず下方向へ進む」のが鉄則。そして最終的にたどりついたところが、自分のくじの結果となる。
あみだくじに勝つ方法は?
「あみだくじで当たりを引くためには、何かコツや秘策があるのかな?」と考えたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし一般的にあみだくじは、ランダムに線を引いて作成した場合、「当たりが出る確率はどの線を選んでもほぼ等しく、絶対に勝てる方法というものは存在しない。」と言われています。非常に複雑な確率計算を行った上であみだくじを作成すれば話は別でしょうが、そのためには高度な数学的知識が必要となりますので、おそらく一般人がそんなあみだくじを作成するのは難しいのではないでしょうか。そう考えると、あみだくじは大変手軽に実行できるにも関わらず、非常に公平な方法ということになります。
あみだくじ占いとは?
あみだくじは何かの勝負や分配方法を決めるだけのものではなく、占いに使用される場合もあります。今日の運勢・恋愛運・仕事運・結婚運など、様々なジャンルを占うことができる「あみだくじ占い」が存在します。あみだくじの好きな場所を選んで、その先にあるのが自分の運勢です。あみだくじ占いには、すぐに結果が出る他の占いと違って、自分で線をたどって行く間のドキドキ感を楽しめるという魅力もあります。