ホラリー占星術について

ホラリー占星術とは、生年月日や生誕時刻を必要としない占星術です。

古代、人々は自分の誕生日など知らないことが普通でした。カレンダーなども普及していなかったその時代に用いられていたのがホラリー占星術であり、その起源は誕生日を用いる一般的な西洋占星術よりも古いものです。

ホラリー(horary)とは「その時の」という意味であり、悩みや願いが生じた瞬間の日時を使って占うという特徴があります。自分で占うのであれば、その質問が頭に浮かんだ瞬間か、いくつかの考えを整理して質問として具体化した瞬間のホロスコープを使います。占いを依頼するのであれば、占い師が質問を正しく理解した瞬間、もしくは相談者が質問をした瞬間をもとにホロスコープを作成します。

どんな未来でも占えるホラリー占星術

ホラリー占星術が得意とするのは、金運・恋愛運・結婚運・就職・転居・ギャンブル・健康といったさまざまな分野です。数年後という比較的遠い将来のことを占うこともできますが、中でも数か月後～１年先といった近未来のことについての的中率が高いことが特徴です。

一般的な西洋占星術での生年月日を用いたホロスコープでは、特定の具体的な問題についてはおおまかな方向性しか知ることができません。ですがホラリー占星術ではその問題についてのイエス・ノーはもちろん、いつ？どこで？どのように？といった細かいことまではっきりと占うことができます。

ですから質問者は疑問や不安に思っていることに対して、正しい道を選び、間違った選択を避けることができるのです。質問がはっきりと決まっている場合には、ホラリー占星術が最も適しているといえます。

ホラリー占星術の注意点

ホラリー占星術をする際には、いくつか注意点があります。

遊び半分やふざけた気持ちで占いをしないこと。

真剣な気持ちで占うことが大切です。ふざけた気持ちになるということは、その相談は深い悩みではないということになります。そんな気持ちで占っても正しい結果を得ることはできません。そういう時には支離滅裂なホロスコープが現れ、占い師を混乱させることもあります。

何度も同じ問いを繰り返さないこと。

ホラリー占星術は、その悩みや質問が浮かんだ日時を使って占います。ですから自分の納得のいく答えでなかった場合でも、その答えが覆ることはありません。もし再度占えるとしたら、日を置いて改めて頭にその質問や疑問が浮かんだ場合です。その日時を使い新しく占い直すことなら可能です。

具体的な質問をすること。

あまりにも先の未来についての質問や、漠然とした質問をするのではなく、数か月後～長くても数年先までに限った具体的な質問をしましょう。例えば、若い世代からの老後はどうなっていますかといった質問には答えにくいし、答えが出たとしてもあまり正確なものとはいえないのです。

具体的な質問の例としては、「恋人はできますか」「今の相手と結婚できますか」「無くした～は見つかりますか」といったものがあげられます。これらの問いにははっきりとした答えが出ます。占いをする前には、イエスかノーで答えられるような形式の質問を用意しておくことを心がけましょう。

「Ａならどうなるか、Ｂならどうなるか」といった質問には向いていますが、「ＡとＢのどちらがいいですか」といった質問には向かないといえるでしょう。

占星術を使い分ける

占いたい内容が自分の性質についてや、どんな人生を送るのかといった漠然としたものであれば、誕生日を用いた占星術で占うのが適しています。ですから占いたい内容によって誕生日占星術とホラリー占星術を使い分けるのが賢明な方法でしょう。

悩みに対する答えがはっきりと出ることがホラリー占星術の大きな特徴です。そのため答えの内容によっては相談者を大きく動揺させてしまう恐れもあります。どのような答えが出ても淡々と受けとめられる心の準備ができているかどうか、相談者は自分の心をしっかりと見極めてから行うべき占術だといえるでしょう。