占いの種類と占術

ホロスコープhoroscope

ホロスコープとは

ホロスコープのイメージ

ホロスコープとは西洋占星術で個人の運勢を占うとき、その人の生まれた場所や時間から見た日・月・諸惑星の位置関係を図で示したもののこと。ギリシア語で「上昇してくる角度と時間の関係」という意味を持ちます。通常は、黄道(こうどう)(天球上における太陽の見かけの通り道=大円のこと)を十二宮(サイン)に分割してその上に日・月・諸惑星の位置を記号で書き込み、たとえば、「惑星が120度離れていると密接な関係がある」といったように、占い師が様々な解釈を行ないます。さらにその外側に12種の占うテーマを方位によって指定したハウス(十二位といいます)を配することがよく行なわれます。このハウスについては次の項目でもう少し詳しく説明します。

ホロスコープの形は、西洋では昔から四角形でしたが、日本や中国に残るものは円形をしています。今日つくられるホロスコープの大半は円形です。

ホロスコープの解読法

ホロスコープの解読は、まず特徴を見つけることから始まります。特徴とは、何度も現れ、強調された要素のことです。西洋占星術では幾つもの要素が同じような事柄を示している場合、その事柄が起こりやすくなっていると考え、それは個人のホロスコープの場合は性格的な特徴や人生上の出来事を示していることになります。

またホロスコープの特徴から、はたらきの強い主要天体が分かります。この主要天体からも、性格的な特徴や人生上の出来事を予測することができます。

ホロスコープは、春分の日に地球から見た太陽の位置(春分点)を0度として、地球の周りの一周360度の円を、反時計回りに12等分し、30度ごとに1つの宮を割り当てていきます。この十二宮と、1宮30度の幅は、天体などの位置を表す場合に使用されます。

またホロスコープは十二宮とは別に、12の空間に分割され、その1つ1つはハウスを示します。ハウスは左側水平線の直下のものから順に、反時計回りに第1ハウス、第2ハウスの順に、第12ハウスまで呼びます。宮(サイン)がホロスコープにおいてより基本的な性格づけ(人間の才能・性格・容貌等の精神的な面)を示すのに対して、ハウスはより具体的な事柄(人生で遭遇する諸問題や活動範囲等)を示すといわれています。

ハウス 定位置の宮(サイン) 支配星 ハウスの象徴的意味
第1ハウス 白羊宮(おひつじ座) 火星 本人の持つ性質や容貌。
第2ハウス 金牛宮(おうし座) 金星 財産(動産)、金銭、収入、才能
第3ハウス 双児宮(ふたご座) 水星 知識、教育、コミュニケーション、国内旅行、兄弟・親類
第4ハウス 巨蟹宮 (かに座) 家庭、家族、不動産、母親、人生の終末
第5ハウス 獅子宮(しし座) 太陽 創造、趣味、遊戯、快楽、恋愛、恋人、子供
第6ハウス 処女宮(おとめ座) 水星 健康、身体(肉体)、労働や勉強
第7ハウス 天秤宮(てんびん座) 金星 対人関係、交渉や契約、結婚、配偶者、好敵手
第8ハウス 天蝎宮(さそり座) 火星・冥王星 死、性愛、遺伝、遺産、共同体
第9ハウス 人馬宮(いて座) 木星 学問、思想、信仰や信条、法律、外国、外国旅行
第10ハウス 磨羯宮(やぎ座) 土星 社会、会社、職業、地位や名誉、上司、父親
第11ハウス 宝瓶宮(みずがめ座) 土星・天王星 友情、サークル活動、友人
第12ハウス 双魚宮(うお座) 木星・海王星 私的な秘密、障害、病気、隔離、隠れた敵

ホロスコープ占星術(西洋占星術)の歴史

今日残る最古のホロスコープは、前5世紀から前3世紀の間にバビロニアの楔形文字粘土板に書かれたもので、すべて貴族の子弟の運勢を占ったものと推定されます。実際に一般に普及して盛んになったのは、ヘレニズム時代のギリシア人やローマ人の間においてでした。その後、バビロニアやギリシアの惑星天文学の発達によって可能になったホロスコープ占星術(西洋占星術)は、西洋の特殊な風土に根ざして発生した技術的にも特殊なもので、他の文化圏にも偶然同じ型のものが自然発生することは考えられません。その観点からホロスコープを追跡すると、バビロニアやヘレニズムからの文化的影響のあとを確認することができます。日本でも鎌倉時代のホロスコープが2件残っていますが、これはヘレニズム期のギリシアからインドなどを経て密教の伝来とともに流入し、宿曜(すくよう)法師によって行われたものです。一方、中国文化圏では、ホロスコープと同様に個人の生年月日によって運勢を占うものの、日・月・諸惑星の位置ではなく、生誕時の暦注(れきちゅう)や干支(かんし)によって運勢を計算する四柱推命(しちゅうすいめい)術の勢力が強く、ホロスコープ占星術は普及しませんでした。