占いの種類と占術

風水ふうすい

風水とは

風水のイメージ

風水とは古く中国の漢の時代から伝わる環境学で、都市や住宅・墳墓などを造る際に、地勢や方位、地脈や陰陽の気などを考え、そこに生きる者とそこで死んだ者すべてによい自然環境を求めようとするもののことをいいます。

もともと風水は、中国の皇帝家のために用いられ、自然界のエネルギーである「気」があふれる良い風水の土地を探し、そこに祖先の骨を埋葬することで運気を上げるというものでした。やがて風水は皇帝の住む宮廷や都の造成にも用いられるようになり、現在では、風水はお墓よりもむしろ住居に使われるようになったのです。土地選びのときから風水を取り入れるのが一番ですが、すでに家がある場合でも、風水の良いインテリアに変えることで、気の良い流れを作り出し、良い風水の家に変えていくことができます。

中国では1966年から1977年まで続いた文化大革命で、それまでの文化を捨て去ろうという過激な運動が起こり、風水文化は「迷信」として一蹴され、それに関わる書物も、文化遺産も、研究者もすべてが葬り去られてしまいました。しかし同時に、その際に人材が中国から国外へ流出し、風水思想は欧米で徐々に受け入れられるようになったのです。

風水と方位

風水の方角・方位には以下のようにそれぞれ象徴する運気や色があります。

北:仕事と収入の方位

北は仕事での成功により、収入を増やすことを意味する方位です。この方位にエネルギーを与えることによって、仕事上で高いポジションにステップアップし、毎月の収入と臨時収入、ボーナスを増やすことになります。

北東:教育、学力と知恵の方位

北東は教育に関する運を意味する方位です。子供を持つ家庭では、この方位が非常に重要となります。

東:健康と家族の方位

東の方位からは、健康と家族の円満な関係の運を受けることができます。

南東:富の方位

家の南東にあたる場所は、お金持ちになるための運を意味する方位です。南東から受ける運は単に金運というわけではありません。収入の運は北の方位によるものです。南東が示すのは、富を蓄積することと、お金持ちになる運のことです。

南は成功と名声を表す方位です。家の南方位に問題がある場合、これまで積み上げてきたものが全て崩れ落ちるのを目の当たりにすることになるでしょう。南は単に注目を集めるための運をもたらすのではなく、仕事上で人に認められることをも意味します。

南西:ロマンス 結婚の方位

南西は家の中で母親を表す方位で、恋愛、人間関係、結婚に関する運に影響を与えます。家の南西にあたる部分に問題がある場合、その家の娘さんは適切な相手を見つけることが非常に困難となります。

西:子宝と家族の健康の方位

西は子孫の繁栄に影響する方位です。子宝に恵まれないカップルはこの方位にフォーカスした風水の対策を行う必要があります。

北西:協力・支援者の方位

家の北西にあたる部分は父親を表します。家長、一家の主にとって重要な方位であり、その方々の運を左右します。北西に問題がある場合は、生活、食べていくのに支障をきたすことになります。

日本での風水

中国での風水理論の完成は宋から明代の頃と見なされていますが、日本ではそれ以前の飛鳥・奈良時代に日本に伝わった理論が独自の発展を遂げました。平城京・平安京の立地が風水に則っているとされていますが、その当時採用された「四神相応(しじんそうおう)」は、四神の方角が固定化されているなど、すでに日本独自の理論となっていました。また、江戸が風水都市であったという記載も多くの書籍で見られます。1990年代には風水ブームが起こり、風水という言葉は人口に膾炙していきました。

風水用語

四神相応

風水における好適地の条件のこと。四神相応の地とは、背後に高い山(玄武)、前方に海・河川などの水が配置され(朱雀)、左右に丘陵や低い山(青龍・白虎)が囲む形状のものを指します。このような土地に住むと、一族は長く繁栄するといわれます。

魯班尺(ろはんしゃく)

「風水尺」とも呼ばれ、物の大きさ、長さの吉凶を判断する物差しのことをいいます。風水術で使われる専門の道具の一つで、中国、春秋時代の魯班によって考案されたと見なされています。長さの目盛りは上下2段となっていて、上段が「門公尺」、下段が「丁蘭尺」と呼ばれ、計る対象物によって使い分けます。赤い目盛りは吉、黒い目盛りは凶を示します。

八卦鏡(はっけきょう、はっかきょう)

風水術で使われる専門の道具の一つで、正八角形の盤の真中に鏡を埋め込み、周囲に先天図の八卦を記した物。八卦の中心に鏡があるので「八卦鏡」と名付けられました。凶作用を反射させて化殺(軽減)、あるいは吉作用を集中させて吉を増す目的で使用されます。