夢占いとは
それぞれの人の夢に登場した物や事柄、シチュエーションを基に、その人間のいま現在の心理状態や、これから先に起きる現象や出来事などを予知・判断する占術のことを夢占いといいます。夢占いの大きな特徴として、夢の中には、目で見ることができない世界や、無意識の層からの有意味なメッセージがひそんでいることを前提に、作業を行なうことが挙げられます。
夢占いにおいては、夢の中に登場する印象的、あるいは代表的なシンボル(象徴)や場面などから、夢の中身を解釈していきます。ただし、その解釈の仕方は一様ではありません。東洋と西洋とでは同一の夢であっても解釈が異なったりします。たとえば、「一富士二鷹三茄子」という有名な言葉があるように、日本では「富士山」「鷹」「なすび」は縁起の良いシンボルの代表的なものとされていますが、他の地域や社会では必ずしもそうではありません。
夢占いのシンボル解釈の基本となっているのは、オーストリアの精神医学者・ジークムント・フロイト(1856年~1939年)の著書『夢判断』です。ただしそれぞれのシンボルに対して、夢を見た当人が『夢判断』に記されている内容と異なる印象を持った場合には、フロイトが行なった(一般的な)解釈とは違った解釈を要するケースもあります。たとえば、犬は通常、友達やパートナーの象徴とされていますが、過去に犬に噛まれたなど嫌な経験をしたことがある人にとっては、別の解釈をもちいることがあるのです。
夢占いの歴史
世界でも最も古い、夢占いに関する文献としては、古代メソポタミア文明のものと見なされる『アッシリア夢の書』が挙げられます。さらに、それから約500年後となる紀元前1150年頃のエジプトでは『僧用聖文字の夢の書』が書かれました。
また、旧約聖書の中には「ヨセフの夢」という夢占いに関する話があります。夢占いでさまざまな事を言い当てる主人公ヨセフが、17歳の時に見た夢を実現させるという物語です。
その後、時代を経て20世紀に入ると、フロイトが夢に関する精神分析学の研究論文を収めた『夢判断』を出版し、夢占いは疑似科学から科学へと発展していきました。この論文によって、フロイトは性的欲望(リビドー)という概念を中心に、無意識と夢の関係を詳細に論じて世界中に反響を巻き起こしました。
さらに、フロイトと深い親交のあったスイスの精神科医・心理学者のカール・グスタフ・ユング(1875年~1961年)は、方向性の違いから徐々にフロイトと距離を置くようになり、独自のシンボル解釈を展開してフロイトとはまた異なる夢占い(分析)を確立していきました。
夢占いのシンボルとその解釈
- 【銃・蛇・剣】男性器
- 【靴】女性器
- 【魚】財運、幸運の暗示
- 【小鳥】幸福な恋愛
- 【虎】虎をなつくようにする夢は、富や名声を手にする予兆
- 【虹】明るい未来の訪れの暗示
- 【ウサギ】取り掛かっている物事が上手く運ぶ暗示
- 【龍】急成長やさらなる飛躍。また白い龍は富のシンボル