私が持っていた霊能者による電話占いのイメージとは、「恋愛成就の相談で女性が電話をかける」というものでした。だから電話をかけることを、かなり迷いました。とにかくネットや雑誌を調べて、「ものすごく当たる」、「霊能者のレベルがどこよりも凄い」と評価の高い電話占い一本に絞ったのです。それが電話占い紫苑さんでした。
初めてで今にして思えばオドオドしていたかと思います。でも受付の女性は丁寧に説明してくれて安心できました。そして伊勢先生。電話がつながるなり、「あら、恋愛以外のご相談は珍しいですね。失くした、いいえ違いますね、持ち主が片付けてある物を探し出したいのですね」と言ってきて、私が相談内容を説明する必要はありませんでした。まさにその通りでした。先月に亡くなった祖父の形見分けで、懐中時計を譲り受けることになっていたのですが、あいにくと祖父がどこへその懐中時計を仕舞ったのかわからないのでした。
相談内容を言い当てられたとは言え、まだ私は半信半疑でした。でも伊勢先生が瞑想に入り、「あぁ、見えてきましたよ。とても陽の光が強い部屋なので南側の部屋ですね」そういった伊勢先生のつぶやきから始まり、部屋の窓際にダルマが置いてある、カーテンは薄い緑色、●●と書かれた掛け軸が見える、何段の桐ダンスが見えると次々に部屋の様子を語り出したのです。ビックリして聞き入ってしまいました。なにしろそれは、祖父が物置代わりに使っていた部屋の内装とまったく同じだったのですから。ア然として聞いていると伊勢先生が、「では肝心の懐中時計ですが、見えた桐ダンスの下から2段目、その右奥の茶色い箱に入っていますよ」と、本当に見てきたかのように言ったのでした。
鑑定の翌日、早速祖父の家へと向かいました。部屋に入ったとき、あらためて伊勢先生が霊能力で見た光景が的中していたことに驚かされました。そしてまさに、祖父の懐中時計が言われた場所にあったのです。とにかく霊能者はすごいと思ったし、やみくもに探す羽目にならなくてとても感謝しています。