忘れられない相手がいます。その人は私が3年も片想いをしていた元同僚。今では連絡先もわかりません。でもある日、雑誌の「願いを叶える霊能者特集」を読んで霰先生のことを知った私は、この先生なら私の想いを叶えてくれるかも…と希望が湧いてきました。
霰先生が電話に出た途端、耳の奥にブーンと微かな羽音のようなものが聞こえ、辺りの空気が急に重くなったような気がしました。「片想いのご相談ですね」と唐突に言われ、あの音は先生が霊能力で私の思考を読みとった音なのかもしれない…とぼんやりながら気がつきました。その後も先生は、まるで私の思考を後追いするかのように、あらゆることを霊視・透視で言い当てていったので、まるで魔法のようだとビックリ! するとまた先生は、そんなにビックリしないで…と笑ったのです。
火曜日、私は先生の言っていた東京駅南口改札に立っていました。すると、夢にまで見た彼がちょうど改札を通り抜けたところ。私が声をかけると、顔をこちらに向けて嬉しそうな顔をしたのです。「久しぶり、どうしたの?」と言われ、「うん、ちょっとね…」とごまかした私。彼は微妙な空気を察したのか、「夕飯はまだ?」と誘ってきました。食事をしながら、新しい会社のこと、逢わなかった数ヶ月間のことを話しているうちに、私達はすっかり打ち解けていたのです。実はこの流れも、先生の予知通りでした。
「前から君のことが気になっていたんだけど、今日の偶然で勇気を出すことにするよ。僕と交際してほしい」真っすぐに見つめられ、私は頷きました。こんなにスムーズに再会が叶い、しかも彼の方から告白されるだなんて!先生には、ただただ敬服するばかりです。