占い師コラム

「霊感を身につけたい」という方へ第87回 ガレーシャ先生

霊感

例え占いや霊能の世界に足を踏み入れていない方であっても、「霊感」という言葉はおそらく一度は耳にしたことがあるかと思われます。「霊感」とはおそらく「霊の姿が見える」「人の気持ちやオーラを感じ取れる」「未来を予知することができる」といった認識でしょう。この認識は決して間違っていません。我々のような霊感占い師はそういった技を用いて人の悩みを鑑定し、願いを叶える手助けをすることを生業とします。そんな我々の元には時おり「霊感を身につけたい」という方が訪ねてくることがあります。「霊感を身につけたい」という方がいらした場合、我々は非常に悩むこととなります。霊感を身につけるにはリスクが伴うからです。

今回、本サイトにて「占い師コラム」という執筆の場をいただきましたので、これを機会に「霊感を身につける」ということは一体どういうことか、ご説明したいと思います。「霊感を身につけたい」という方、またそうでなくとも「自分にも霊感はあるのか?」と興味を抱いている方などには、ぜひご一読いただければと思います。

霊感とは一体何なのか

霊感とは、一言で言うと「科学の力で証明できない霊的な感覚」のことです。一般的な人間には五感……視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五つの感覚が備わっており、私達は概ねこれら五つの感覚を複合することによってこの世界のありようを感じています。ですが稀に、これら五つの感覚では説明のつかない不可思議な感覚を発揮する人がいます。彼らは視覚的に見えるはずのないものを視たり、鳴っていない音や声を聞いたりすることがあります。これらは精神医学の分野で「幻覚」や「幻聴」と呼ばれます。それは錯覚や思い込みなどに起因するまやかしの感覚、事実とはあまり深い関連性のないものです。ですが、もしこの「幻覚」や「幻聴」とみなされる感覚が、実際に現実世界における未知の情報を言い当てたり、真実を捉えたり、未来を予知したりしていた場合……それは最早まやかしと言うことは出来ません。幻覚や幻聴として説明するにはあまりに的中率が高過ぎる、そんな超常的感覚こそが、本物の「霊感」となるのです。

霊感を目覚めさせる危険

巷でよく「私は不思議な体験をしたことが一度もないから霊感がない」といった話をよく耳にします。気軽な気持ちでお話されているのは分かるのですが、これは霊能の見地から言えば誤りです。本来、霊感とは全ての人に備わっているのです。もちろん感覚の鋭さや方向性に個人差はあります。しかしもともと人間は本質的に霊的な存在ですので「霊感が全くない」という方は存在しません。「不思議な体験をしたことがない」という方は、潜在的な霊感が開花していないか、もしくは別の何かによって封じられているかのどちらかです。そういった方も、しかるべきトレーニングを積むことで、多少の霊感を目覚めさせることができます。

ただし霊感を目覚めさせたとして、それが良いことに繋がるかと言えば決してそうではありせん。普通の方が目覚めたところで多少勘が鋭くなる程度に収まることがほとんどですが、中には潜在的に強大な霊感を持っており、それを考えなしに開花させると実生活に著しい悪影響を及ぼす場合があります。先程「霊感が何かによって封じられている場合がある」というお話をしました。この「何か」とは守護霊や先祖霊である場合がほとんどです。強大な霊感がそのまま発揮された場合、悪霊や邪念の影響をもろに受けてしまい、その人の人生はめちゃくちゃになります。そのため、守護霊や先祖霊は本人を守りたい一心で霊感を封じることがあります。そうして封じられたものをみだりに解き放って放置してしまうと、「気が触れた」「狂った」といわれる状態に陥り、最悪の場合、そのまま一生元に戻らないこともあります。

霊感とは普通に生きられない者のみが備える力

青森県にはイタコという土着の巫女がいます。彼らは死者霊と自由自在に交信し、人の過去も未来も読み解くと言われていますが、このイタコはもともと視覚に難を抱えた人がなるものとされ、五感の一部が欠損した状態こそが力の源であると言われています。また沖縄にはユタという巫女がいます。ユタになる人は潜在的に強大な霊感を持っており、それが思春期に目覚め、カミダーリという狂気の状態を経ることでその資格を得るそうです。

霊感を覚醒させる者はその代わりに必ず何かを失います。そして覚醒する力が大きければ大きいほど失うものも大きくなります。それがこの世界の摂理です。本来、霊感とは、生きるために本来備わるべき力の備わっていない者が、自らを補うために覚醒させる力。我々霊感占い師は皆、人生のどこかで、あるいは生まれた瞬間から、何らかの大きな欠損や喪失、犠牲を経ています。いわば生きるために霊能の世界に足を踏み入れる他なかったのです。自らの意志で霊感を目覚めさせた者は極少数です。

我々には普通の人の目に見えないものが見え、また普通の人に感じられないものを感じ取ることができます。ただし、それは決して良いものばかりではありません。身の毛もよだつ程のおぞましい悪霊を見たり、ゾッとするほど重い負の感情を受け取ったりすることも日常茶飯事です。

「依頼する」という賢明な選択

もし仮に「霊感を目覚めさせたい」という方がこのコラムをお読みになっているのであれば、もう一度考え直してみるべきです。果たしてあなたにはこちらの世界に足を踏み入れる覚悟がありますか? 大切なものを失う覚悟はありますか? 二度と日常の範疇に戻れなくなるとしても構いませんか? もしあなたに自信と相応の覚悟がないのであれば、プロの占い師に依頼し、利用者として占い鑑定を楽しむ程度に留めておく方が賢明です。わざわざ多大な犠牲を払って自らの霊感を覚醒させなくとも、日常生活を維持しながら「依頼」という形で我々の力を用い、知りたいことを適宜知ることは充分に可能なのです。それは非常に賢明な選択だと言えるでしょう。