占い師コラム

神様やお月様に頼んでも、願い事が叶わない4つの理由第128回 乙柳先生

願い事

私たち日本人は物質的に豊かになった反面、前世やソウルメイト、パワースポット、ヒーリングなど癒しや救いを求める需要が増えるようになりました。こういったスピリチュアルワードは、すでに定着しつつあります。〇〇神社のパワーが強いとおススメされれば、お賽銭を奮発して願い事を頼み、新月に願い事を書き綴れば叶うと言われればとりあえず書く。果たして本当にそれで願いは叶うのでしょうか?もちろん、それで叶った人もたくさんいるはずです。そしていつまで経っても大切だと思っている夢や願い事が叶わないと言う人も少なくありません。なぜあなたの願い事は叶わないのでしょうか?

そもそも神様は本当にいるのでしょうか?私たちは究極にハッピーな時や苦しくて辛くて、もうダメだと思う時も、なんとなく「神様ありがとう」「神様助けて」と、何気に神様に話しかけ、問いかけてしまう時があります。目に見えない、存在するかどうかも分からない「神様」に私たちは無意識に向き合う時、実はその神さまは他の誰でもない「自分自身」だったりします。私たちは神社に訪れ、願いごとを頼んでいる相手は実は自分自身で、お月様に向かって祈っているのも月相手ではなく、自分自身です。つまり自分自身に願いごとを頼んでいるわけで、神さまやお月様が叶えてくれるわけではありません。

願い事というのは、誰かに頼んで叶えるものではなく、結局自分で叶えるしかないのです。大事なのは神様にお願いしに行ったのではなく、あなたが「こうなりたい」と言うイメージや夢を多くの人が集まる神聖な場所に、宣言をしに行っているようなものだと考えましょう。あるいは夜空を見上げれば地球のどこからでも見えるお月様の下で、世界中の人にあなたの夢を宣言、決意表明しているのです。「結婚できますように」「昇給しますように」という言い方ではなく、「結婚します」「昇給します」と、断言した言い方の方が叶いやすいと言われるのは、宣言であり決意表明しているからです。

自分の心の中で夢や願いを秘めたままだと、誰も気づいてくれません。けれども神社というパワーの集まる場所や、太陽と月が重なり最もパワフルになるタイミングでのあなたの「夢宣言」は、まるでネットワークのように広がっていきます。目に見えなくとも強い想いや願いを、特定の場所や相手、タイミングを選べば、それは世界に伝わっていくのです。あなたの夢が本当にかなえたい夢であり、また同時にその夢が周囲にも大きく与えるものであれば、時間がかかっても叶うはずです。


さて、それでは具体的に願い事が叶うか叶わないかの差はどうして出てしまうのか考えてみましょう。第一に、願い事を叶えたいと思っている夢は、本当にあなた自身が望んでいることかどうかということです。例えば子どものころから結婚がしたい夢を持っているのに、30代になっても40代になっても未婚のままだとします。20代、30代で結婚、出産をしていく周囲を目の当たりにすると当然焦りや不安が生まれます。結婚というのは恋愛の延長にあるパターンが多いものですが、実際は全く違った環境で育ったふたりがひとつ屋根の下で暮らし、子どもを育てたり地域活動の一員になったりと、社会参加するための最小ユニットのようなものです。既婚者の方は十分承知の上だと思いますが、誰かを好きになった情熱のまま突入しても、圧倒的な日々の雑用と責任に追われ、甘い生活は何年も続きません。

それをなんとなく想像できるとしても、世間的な視線や風習、メディアの煽りや寂しさや不安から、実は結婚したくなくても、結婚したいと思い込んでいるケースも多いはずです。あるいは両親が望んでいるから、結婚はするべきだという思い込みから逃れられないケースなども少なくないでしょう。もしそう言った環境からの押し付けや影響を度外視したときに、自分が本当は何を望み、何をしたいのかと考えることは意外と難しいものです。なんとなく周りがそう言っているから、寂しいからと流されるまま、自分の夢は「結婚」「出世」と思い込んでいるとしたら、あなたの願いごとは叶いにくいかもしれません。本当の願い事や夢は別にあるのです。それが何かを探してみましょう。周囲の雑音に惑わされず、心をクリアにして自分に問いかけてみましょう。


願い事が叶わない第二の理由として、願い事が執着に変化しているパターンです。例えば何十年もかけて宝くじを買い続けているのに一向に当たらない。時に神頼みで、今年こそ当たりますようにとお願いすることがあっても、当たらない。また何年も不妊治療を続けているのに、いまだに子どもが授からない。神社の神様にお月様に必死に頼んでいるのにまたダメだった。けれどあきらめた瞬間に、子どもが出来たとか、宝くじは当たらなかったけどたまたま出したヨーロッパ一周旅行が当たったなど、予想外のところから幸運が転がりこんでくるというパターンあります。これは最初純粋に持っていた小さな願いや夢だったことが、なかなか思い通りにいかないがゆえに意地になってしまい、

「ここまで来たら宝くじが当たるまで買い続ける!」
「ここまでお金をかけたんだから、今やめたら無駄になる!」
「周りは簡単に出産してるのに、あたしだけ産めないのは許せない」

など、執着に変貌してしまっているパターンです。強すぎる想いや願望を持っている時の私たちは、ガチガチな思考パターンに陥り、身体は固くなりとてもリラックスしている状態とは言えません。このような状態では、赤ちゃんは怖がって寄ってこないし、お金もその人のそばにいたいとは思わないでしょう。どんな願い事もその対象となる相手やものに対して、臨戦態勢でいるのではなく、余裕を持ったリラックスした人に人や物は引き寄せられていくのです。願いごとを叶えたいのなら、まずはリラックス。そのためには叶わなくてもいいや、と開き直ったり、別の方向に目を向けると余裕が生まれるでしょう。


願いごとが叶わない三つ目の理由として、時が熟していないパターンです。すぐ手に入るものは簡単に失いやすく壊れやすいという法則があります。つまり願いごとの内容がその人にとって大きいものほど、時間をかけて努力し、叶うまでのプロセスを学んでいく必要があります。インターネットの普及の恩恵で私たちは、欲しいものがあればクリックひとつで翌日には自宅に届くという、便利でインスタントな時代。けれども欲しい商品が作られるまでのプロセスを考えると、気の遠くなるような時を経て完成します。消費者のリクエストから企画者の発案、何度も重ねる会議や取引先との商談、工場での物づくり、回数をかけて何度もテスティングし、ようやく完成したものは運送業者の人に託されます。便利になりすぎた時代だからこそ、この長い長いプロセスを私たちはうっかり忘れがちでとてもせっかちになり、見えないからこそ要求度も上がっていきます。

大切なことなのでもう一度言いますが、価値あるものは長い時間をかけたプロセスを経る必要があります。あなたの大切な夢や願いがまだ叶っていないのは、手に入るまでのプロセスがまだ完了していないのでしょう。結婚相手が見つからないのは、あなたのソウルメイトにふさわしいあなた自身がまだ未熟で完成されていないのかもしれません。スターを目指して音楽を続けているのに、芽が出ないのは時代がまだあなたについてきていないのかもしれません。あきらめずにもう少し願いごとを叶える努力を続けてみましょう。


最後に四番目の願いごとが叶わない理由として、願い事とは別にあなた自身が集中してやらなければいけない使命があるということです。私たちは決してひとりで生きているのではなく、家族はもちろん、他人とも動物や植物ともつながっています。そういった周囲の環境から、あなたしかできない何かを要求されているとき、願い事として思っていることは叶いにくくなります。つまり、その願い事よりもやらなければいけない使命を優先しなければならないということです。

結婚願望があっても相手が見つからない時、あなたを必要としている誰かがあるいは動物や植物、鉱物などが何かを訴えかけているのかもしれません。願い事とは別にあなたがどうしようもなく惹かれるもの、気になる対象を見つけましょう。周囲がいいと言われているものではなく、静かに自分自身の声を聴き、耳を傾けましょう。その使命を見つけ、まっとうした時、なかなか叶わなかった願いはふとした時に叶うのでしょう。あるいはその時あなたは、もうその願い事を忘れているかもしれません。


いかがでしたでしょうか?もしあなたの大切な願い事が叶っていないのであれば、上記の4つの中から該当するものを探してみましょう。複数思い当たることがあるかもしれません。皆さまの切なる願いごとがどうか叶いますように。