占いの種類と占術

口寄せくちよせ

口寄せとは

口寄せのイメージ

巫女(みこ)が人々の求めに応じて、死霊、生霊、神仏などを自らの霊体に憑依させて神意をことばで伝えること、あるいはこの行為を行う巫女のことを口寄せといいます。

巫女の身に目的の霊を降ろし、ご相談者の置かれた状況や相手の本心などをお伝えすると同時に、霊界と現世、あるいは過去~現在~未来に至る問題の推移を適宜に透視し、鑑定に必要な基本情報を集める役割も持ちます。本来の口寄せには、「生口」(生者の霊を呼び出す)、「古口」(没後、期間を経た古い死霊を呼び出す)、「新口」(亡くなって間もない死者を呼び出す)などの区別があります。

口寄せをする巫女のことを東北地方ではイタコ、オカミン、関東地方では梓(あずさ)ミコ、南西諸島ではユタ、カンカカリヤーなどと呼んでいます。イタコの「イタ」も、ユタと同じく「言う」という行為を意味することばで、口寄せの行動を表すものです。東北地方では春秋の彼岸、盆などに口寄せを行って、死者を祀ることが多く、その代表的なものとして、青森県むつ市で行なわれる恐山大祭(毎年7月20日~24日)と恐山秋詣り(毎年10月、体育の日を最終日とする土、日、月の3日間)があります。

イタコの口寄せ

イタコとは、生まれながら盲目であったり幼少期に視力を失ったりした女性、あるいは弱視の女性が修行によって能力を備えた巫女(霊媒師)のことを言います。修行後に神おろしの儀式を経て神の花嫁となり、イタコと呼ばれるようになります。イタコなら誰しもが口寄せを修得しており、亡くなった方を仏と言うことから、口寄せのことを「仏おろし」と呼ぶこともあります。イタコの口寄せでは、憑依した方の口調や話すときの様々な癖がそのまま再現されるので、すぐにご本人であることが確認できます。すでに亡くなっている方の降霊ができることはもちろんのこと、恋人や片想いの相手などまだ存命されている方の生き霊を呼ぶことによって、その人物と直接会話することもできます。口寄せで呼び寄せられた霊体の記憶は、物質体としての人間の脳記憶には残りませんので、前々から相手に対して訊ねたかったことなど、相談者は思いの丈を存分に吐露することができるのです。高度で正確な降霊術を行なうイタコは、地域によっては神様とまで崇め奉られるほどの存在。最近亡くなった人でなくとも、たとえば、遠い御先祖の霊魂も呼び出して語らせることも可能です。

口寄せを用いた電話鑑定

現在、恐山のある下北半島にイタコは存在しておらず、先に紹介した恐山大祭のときに集まるのは津軽や八戸など他の地方に住むイタコたちなのです。また現役のイタコの老齢化とともに後継者不足も深刻になっており、「このままでは貴重な精神文化がまたひとつ消え去ってしまう」と危惧する声も多く聞かれます。しかし『anan』『女性自身』などの人気雑誌やTV番組などで紹介され、最近注目を集めている電話占い会社の中には、厳しい修行を積んだイタコの占い師が在籍しているところがあります。そのイタコたちは口寄せによる電話鑑定で多くの相談者の悩みを解決、あるいは願いを叶えており、大変な人気を集めています。恋愛、結婚、仕事、家族関係など、問題の焦点となっている相手の本心を知る上で、イタコの口寄せは非常に有益な手段となり、「急逝した父を口寄せで呼んでもらい、話すことができた」「復縁したい相手の本心や今の状況を口寄せで教えてもらった」など、各電話占い会社にはご相談者の感謝や喜びの声が毎日のように届いています。