占いの種類と占術

透視とうし

透視とは一体どのような能力を指すのか?

透視のイメージ

「まるで透視術を使っているようだ」「色んなことを透視できたらいいのに」など普段の会話の中でなにげなく使ってしまう言葉が「透視」ではないでしょうか。では一体、透視とはどのような能力を差すのでしょうか。

透視はいわゆる、超能力と呼ばれる力の一種。超能力は能力別に、二つのカテゴリーに大別することができます。ひとつは「PK(Psychokinesis)」と言われる力で、これは念力のこと。わかりやすい例としては、物体に手を触れなくても自由自在にコントロールし、別の場所に動かすことができるような「物体移動」の能力が挙げられます。また、力を加えなくても、硬いスプーンを一瞬で曲げてしまう「スプーン曲げ」などもわかりやすい例でしょう。そして、PKとはまた別の、もうひとつの超能力カテゴリーが「ESP(Extra-sensory perception)」と呼ばれる能力です。このESPがいわゆる透視と呼ばれる能力です。

透視能力とは、通常では認識できないはずの人や物の姿、現象、過去、未来などを感知する力と言えるでしょう。遠方で暮らしている人物の様子を知ることができたり、見たこともない風景を克明に思い浮かべることができたりします。霊感占いの霊視のようなパワーを想像するとよいかもしれません。「目の前にいない人物のことが、どうしてそんなにわかるの!?」こんな驚きの声が、実際の鑑定内では上がります。透視術師が対象物を感知する場合、最初はぼんやりとした輪郭であらわれていたのが、徐々に細部までよく見えてくるというパターンや、直感的に頭にサッと様子が思い浮かぶパターンなど、色々な感知の仕方があります。

透視に似たような力としては、ペンやアクセサリーなど何かの物体を手にしただけで、その持ち主の素性や性格を当てる、また夢を通して未来の出来事を予知するといった力などが挙げられます。有能な超能力者になると、迷宮入りしそうな未解決事件を解決するような強力な力が備わっていることでしょう。

超能力という言葉はごくメジャーですが、それらの力は、元は霊能力の一種です。透視術でも霊を媒介にして情報を感知していることがよくあります。霊と聞くとオカルティックな怖さを感じて足踏みする人もいらっしゃいますが、超能力という言葉にはそんな気持ちは抱かないのではないでしょうか。過去から現在まで、多くの人たちの興味を惹きつけてきたのが透視、超能力なのです。

超能力 PK(念力) 離れた場所にあるものを精神力で動かす
心の中で念じて写真を撮影する(念写)
空中を浮遊する
ESP(透視) 通常、認識できないはずの物を感知する
水晶などを媒介にして物を感知する

疑いを晴らした偉大なる透視術師の存在

超能力の世界では、その力が本物であると立証する方法を見つけづらいので、自称超能力者と名乗る偽物が登場しやすい環境があります。あらゆる詐術を使って人々に自分を本物の超能力者だと信じ込ませようとしますが、疑惑の目を向け、それを暴こうとする人たちがいるのもまた事実です。

19世紀から20世紀にかけて、アメリカで大活躍した有名な女性超能力者がいました。彼女が得意としたものこそ透視術。彼女の家を訪れてはじめて彼女に会う人たちが、何も情報を伝えていないのに、どんな親戚がいて、誰が故人であるかなど身内に関することを次々に当てられて驚愕していたと言います。自分の親族にまつわる話ですが、自分たちは知らなかったことまで指摘され、彼女の能力に目をむいていたのです。

しかし、有名人となった彼女に対して不信感を抱いたのか、その透視術に疑いの目を向け、偽物だと証明しようとした人物たちもいました。彼らが選んだ方法は、彼女がいまだ訪れたことがないヨーロッパの地に出向き、そこで同じように透視術を試させるという内容でした。『これまでの透視は、どこかから事前情報を得ていたのだ。当日、そのデータをいかにもその場で透視したかのように伝えて、驚かしたに違いない。だが、誰も知り合いのいない外国では同じ方法は使えないだろう』こう考えたのです。

そして、実際、そのヨーロッパの地で彼女は透視術を披露しました(当時は「霊媒」能力と呼ばれていた)。すると、自国にいるときと同じように、目の前にいない、見も知らない人間についてスラスラと述べはじめ、それらが見事に的中していたのです。透視(霊媒)能力を信じない人間たちに、自分の力の存在を証明してみせたのでした。その後、彼女は何十年も透視力を使い、世界の人たちを感動させたのです。

透視能力は身につけられる?

霊感の一種である透視能力は、やはり、選ばれた人間だけが身につけられる特殊な能力なのでしょうか?実は誰にでも多かれ少なかれ、超能力が備わっていると言われています。PKの能力を有するタイプ、ESPの能力を有するタイプ、また、その両方の素質も持つタイプなど、力の強弱は持って生まれた資質に加えて、その後の訓練により差がつくらしいとまで言われています。

身体にたとえると、筋肉はダンベルやジムのマシンで身体を鍛えるごとに成長していくようなもの。マシンを使うとき『今はこの部分を強化している』と強く意識することで、トレーニングの効果がいっそう上がります。超能力も同じで、ただ、なんとなく形だけ追って訓練を繰り返すのではなく、自分の中に潜在している力を意識しながら取り組むことで結果が違ってくるのだとか。「自分の中に秘められた力を顕在化したい」そんな思いが強くなってきたら、手軽な開発法にチャレンジしていてはどうでしょうか。

トランプで透視能力を磨く

よくある方法ですが、トランプのカードを伏せて山にし、上から順にどのスート(ハート、スペード、クラブ、ダイヤ)が出るかを当てていく方法があります。トランプの裏面を眺めながら、意識を集中し、頭に思い浮かんだスートを確認します。次に実際に、カードをめくってそれが当たっているか確認、これを繰り返すのです。30回、50回と決めた回数を定期的に試し、当たった確率を書き留めていくのです。特に素質のある人は、回数をこなすごとに当たる確率が高まっていくでしょう。

ただし、トランプのスートは4種類しかないので、4分の1の確率で偶然に当たることもあります。その可能性を考慮して、自分の透視力が高まってきたか冷静に判断していくことが大切です。

夢日記の活用

人は睡眠中、レム睡眠時に色々な夢を見るとされています。レム睡眠は一晩に4~5回訪れるので、幾つもの夢を見ていると考えられています。夢は起きると同時に忘れたり、幾つかを覚えていたりします。覚えている夢を、日記のようにノートに書き留めていくのもひとつの方法です。回数を重ねると、同じ小物や数字、色などが何度も夢の中にあらわれていることに気づくかもしれません。それは赤い花かもしれないし、数字の3かもしれないし、人によってそれは異なります。が、その象徴的な小物や数字を夢に見たあと、現実の世界で都度、似たような現象が起こることがあります。昔の知人に再会したり、くじ運が高まったり、どんな現象が起きるかはわかりませんが、『数字の3が夢に出てきたら、自分はこういう状態になりがちだ』と記録していくと良いでしょう。そのうち夢と現実の関連性が見えてくるはず。見えないものを見るというより、未来を予知するという透視能力と言えるかもしれません。

誰もが潜在的に備えている超能力。小さな力でも使いこなせるようになれば、人生が面白くなるかもしれません。同じように超能力に興味を抱いている友人などと結果を報告し合いながら、開発に励むのも良いかもしれません。