占いの種類と占術

アカシックレコードAkashic Records

アカシックレコードの神秘世界

アカシックレコードのイメージ

日記を書いた経験を持つ人はいるでしょう。何月何日、何があって、どう感じたかを残しておくものですね。それはしばしば記憶から抜け落ちてしまう様々な出来事を、断片的に形づけておく意味を持っています。時々、以前の日記を読み返して郷愁の思いに耽る気持ちは理解していただけるはず。それらは自身の過去をたぐりよせながら、昔の自分にアクセスすることを意味していることに他なりません。もしそれとはまったく逆の、未来の出来事を記した「記録」があるとすれば、あなたはどう活用しますか……?

アカシックレコードとは何か

1900年前後、ある男性が驚異的な霊能力を発揮して自身の病気を治しました。その治療法とは「催眠療法」。自ら深い催眠状態に入り、肉体を透視して病気の原因やその治療法を探るというものです。男の名前はエドガー・ケイシー。この1件のあとも特殊な霊能力を用いて、数多くの病人を救いました。このエピソードで注目すべき点は2つ。1つはケイシー自身が義務教育を修了した程度の学力しか持っていなかったということ。当然、医学的な知識や治療法も知り得ておらず、専門家ではないのに関わらず人々を救ったということになるのです。そしてもう1つは、彼は患者一人ひとりと面識がなく、直接会うこともなかったという点。診察する相手に会わずに治療を成功させる医師が一体どこにいることでしょう。この貴重な霊能力を活用し、20年以上の間にわたって人々の病気を治していきました。

アカシックレコードの著名な例として知られているのは、上記のケイシーが行った催眠によるカウンセリングです。元をたどれば古代ギリシア時代に活躍した哲学者のプラトンであるともいわれています。科学がまだ十分に発達しておらず、神という概念の他にあらゆるものが形を持たない霊的なエネルギーとして認識されていました。そのような人間の知恵ではカバーしきれない神秘的、宇宙的、超科学的な要素から様々な情報を引き出すことができると考えられていたのです。アカシックレコードとはありとあらゆる情報によって構成された記録体であり、人々の精神世界と深い結びつきを持ち、スピリチュアルの世界でもいま改めて注目されているジャンルの一つとして知られはじめています。

アカシックレコードの目的とは

アカシックレコードはサンスクリット語で「アーカーシャ」と呼ばれる概念に由来しています。アーカーシャとは「気」や「虚空」、「エーテル」といった言葉で表されるエネルギーの場と考えられているもの。すべての元素やすべてのできごと、すべての思考や感情が生まれて還っていくところとされています。ここに森羅万象のすべての情報が記録されているという意味で「アカシックレコード」と呼ばれるわけです。

さて、アカシックレコードとして持たれているイメージは地域や宗教、時代によって異なります。例えば、「天使が記録したすべての光を読み取る神がいる」、というものであったり、「アーカーシャという無限の概念上に人間の行動がすべて記録されている」というものであったり多種多彩。とはいえ一般的に共通しているのは、その記録が相互作用し合い、現世においても少なからず影響を及ぼすチカラを持っているということです。上記のケイシーの例でいうと、すべてが記録されているアカシックレコードから、人々の病気の原因を読み取ったということになるのでしょう。その神秘的なエネルギーから、世界中でも神話などのモチーフとして登場しているのが興味深いところ。聖書では「生命の書」として登場し、言い伝えでは古代エジプトの王たちもアカシックレコードを読み取る能力があったとされています。

アカシックレコードの解釈や活用方法はさまざま。金銭絡みや人の運命に関わる予言に使用することはできないとされており、やはり現実に生きる人が真に求める問題の解決策でなければヒントを得るのは難しいでしょう。人生について悩み、迷いが生じるときにアカシックレコードを頼りにちょっとしたアドバイスとして参考にすることが大切なのです。

アカシックレコードは読めるのか

アカシックレコードのリーディング能力を持つ人はとても少ないです。西洋占星術やタロットなどの占いに比べると、マイナーであるのが現実。他の占いのように、勉強して習得すればマスターできる類ではないので、その方法を紹介することは困難を極めます。しかしスピリチュアルな面が強い占いなので、そうした面を強化していくことが有効だとして一般的に伝えられてきました。

そのために意識を集中させて、深い催眠状態に入ることが何より重要。それは同時に究極のリラックス状態であるともされています。座禅や瞑想によって、気分がすっきりしたという話を聞いたことがあるかもしれませんね。その状態をコントロールできるようになれば、いわゆる幽体離脱と似た精神世界の探求が始まるようです。いよいよ映像としての認識が可能になるとされています。しかし、アカシックレコードに到達する方法は人それぞれで異なるというのが通説。日々の生活の中でいろいろなことに関心を持ち、五感を研ぎ澄まし、人類や社会全体が地球と共生しつつ良いものになることを祈り続けることが大切です。正直な生き方を通して人間力を高めていくことが最善の方法となることでしょう。